オークションでイタズラ入札すると罪に問われるのか?
ちょっと気になったので、半径2クリック程度でぬる〜く調べてみた。
ニュースでは1件見つかった。ニュース記事なくなっているので、2chから。
★次々落札、すぐキャンセル=ネットオークション妨害で男逮捕−警視庁
・インターネットオークションの商品取引を妨害したなどとして、警視庁葛飾署は25日までに、偽計業務妨害の疑いで、さいたま市中央区本町西、会社員福田佳史容疑者(41)を逮捕した。同容疑者は容疑を認めている。
調べによると、福田容疑者は3月29日から30日の間、東京都葛飾区の女性(42)がネットオークションに出品していた80数点を次々に落札し、直後にキャンセルして取引を妨害した疑い。
さらに、女性の携帯電話に30数回にわたり、無言電話をかけ不安にさせた疑い。
福田容疑者は「ネットオークションで、女性から2500円で腕時計を購入したが、動かないことに腹を立てやった」と供述している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070525-00000069-jij-soci
「偽計業務妨害」で逮捕。これは、どちらかっていうと悪質な入札ってより嫌がらせが問題くさいよな。1回、2回程度じゃ警察は取り合ってくれないかもなぁ*1。
腕時計2500円か…。
あとこれは、質問内容が「悪戯入札を放置しているヤフージャパン自体を訴えられるか?」だけど、参考になるかな。
そもそもいたずら入札自体がなにかの罪になるかどうかが疑わしいです。
財物や財産上の利益を得ているわけではないので、詐欺罪(刑法246条)は成立しません。
事業者が出品者であれば偽計業務妨害(233条)が成立する可能性もありますが、事業者でもない個人が不要物を出品していたような場合、これも成立しません。〜中略〜
民事上の手続なら、不法行為(民法709条)や債務不履行(415条)の損害賠償責任の追及という手段があります。
こちらは過失でも適用されます。
とはいえ、いたずら入札された方の損害というものが観念できるのか、精神的損害賠償(慰謝料)を要求するにしても過失と因果関係があるのか、そもそも過失は存在するのか、利用規約にあるはずの免責条項により免責されるのではないか、いたずら入札が横行しているのは周知のことなので出品者もそれをわかったうえで利用しているのではないのか、などなどヤフー側に有利な条件が多く、かなり難しいだろうとは思われます。
まぁ、詐欺罪にはならんよな。まだ物やお金を騙し取っていないし(キャンセルされたら落札手数料もかからないんだっけ?)
偽計業務妨害で訴えるほど個人で取り引きしていたら税金ががが(笑)
あとは民事での扱いだけど…。
相手がバックレてしまうので、訴えるのに骨が折れそう。ヤフーは相手の個人情報教えてくれないだろうし。
警察が刑事事件で調査している相手が分かった場合は、情報がもらえるかなぁ。
60万円以下なら、少額訴訟制度も利用できるようだ。弁護士雇ってなんやらするとお金がかかるものね*2。
少額訴訟制度の特徴については、主に以下のようなものがあります。
* 60万円以下の金銭の支払いを求める訴えに限られます。
(具体的には、敷金返還、賃金請求、売買代金請求、損害賠償請求などがあげられます。)
* 被告は、少額訴訟手続ではなく、通常の手続で審理をするように申立てることができます。
(ただし被告が最初の審理の期日において弁論したりすると、この申立てはできなくなります。)
* 原則として一日(最初の口頭弁論の期日)で審理を終えるため、 その日までに全ての証拠を提出しなければなりません。よって当事者は事前に十分な準備をしておく必要があります。
* 少額訴訟の判決は、原則として審理終了後直ちに言い渡されます。
また、判決には支払の猶予や分割払いの定めが付されることがあります。
* 判決に対しては上の裁判所(地方裁判所)に控訴をすることは出来ず、原則として、その少額訴訟をした簡易裁判所に対して異議の申立てをすることのみが認められます。なかなか複雑な特徴を持つ手続のようにも思えますが、自分が主張したいことやその証拠などが揃ってさえいれば、あとは裁判所書記官や司法委員の方の助けのもと、裁判官の指揮にしたがって訴訟を進めればよく、たいていの場合特別な知識はほとんど必要ありません。
うーん。相手が暇人で「通常の手続」と言い出したら面倒そうだ。あと、当たりまえだけど相手と顔合わせないとイカンのだよな。やだなー。
こんなところ。判例は全然みつけられなかった(オークション詐欺はいっぱいあった)。
まぁ、ヤフージャパンが(いたずら入札したユーザを悪質と判断して)訴える先を教えちゃった場合は、キレた出品者からガンガン通報&訴訟されそうなので、いたずら入札は程々に。