舌下減感作療法で花粉症が良くなったーよ
2015年3月16日追記
ヤッター、保険適用になったよ!
舌下減感作療法を受けられる病院一覧はこちら→花粉症の舌下免疫療法を受けられる全国の病院リスト
2011年11月19日追記
保険適用の時期について追記しました。
先に言いたいことをまとめておきます。
- 自己判断で似たことやろうとすると、アナフィラキシーショックおこす*1から、絶対やめれ
- 花粉を親の敵並みに憎んでいる、ふろむだ先生(id:fromdusktildawn)に捧げます
- 花粉症完治してない。目の痒みはめちゃくちゃ改善したが鼻水はやっぱり出る
- 記事を上げる時期が悪くてごめんなさい
- 誰か金くれ!(実費なので総額70万円ちかくかかった)
はてなポイント絶賛受付中です→anemotoにポイントを恵んでやる
始めに
この治療法は「まだ」保険適用の治療ではありません。よって自費治療の人柱記事になります。あと、実際の治療は記憶頼り&個人の主観に基づいて書いているので、あいまいな部分や偏った見解があります。
それとこの治療を始めるには、遅くとも10月中には始めた方が良いはずなので、今から初めても来年の春の花粉に間に合わないかもしれないです*2。マジSUMAN1000%
舌下減感作療法(ぜっかげんかんさりょうほう)って何?
アレルギーを起こす物質(アレルゲン)を症状が出ないごく少量から投与し、だんだん濃度を上げてアレルゲンに反応を起こさないようにする治療法です。
現在日本国内で主に行われているのは、アレルゲンエキスを注射する方法です。舌下減感作療法は注射では無く、ベロの裏にエキスをしばらく滞在させる方法です。以後、通常のアレルゲンを注射するタイプの治療は注射治療と記します。舌下減感作療法はSLIT(スリット)とします。
SLITはWHOの推奨治療法であり、効果を認めた欧米各国の一部では保険治療の対象となっています。日本では治験段階で、近いうちに保険適用になるのではないかと思います。
- 参考:http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2009/10/60jaq400.htm
- 参考:平成22年度花粉症対策|厚生労働省(こっちは舌下免疫療法って呼んでいますね)
治療の流れ
なんせ3年以上前の話なので、かなりあいまいです。そのうち病院に当時のカルテ見せてもらいにでも行こうかな…。
そもそもスギ花粉症なのか?
まず、スギ花粉アレルギーなのか検査します。スギ花粉の治療なので、スギ花粉アレルギー以外だと全く意味がありません。
皮内検査は、前腕の内側に注射でスギエキスを1滴程度注入して反応を見る検査です。私はかなりでっかく反応が出て手首から肘の内側がぼわーっと赤くなりました。
血液検査ではIgEを把握します。IgEの数値の高さとアレルギー症状がリンクしないことがあるので、定期的に検査して数値の高さより数字の推移を見ました。
実際の治療は…?
反応の強さから治療計画を立ててもらい、杉エキスを処方してもらいます。
あとは処方されたスギエキスを指導にしたがって1日1〜2回、ベロの下に垂らして2分〜5分ほどおとなしくします。その後は飲み込んでも、ぺっしてもOK。
あとは、エキスの濃さや摂取回数が有効か、月に1回程度診察を受けます。エキスもだいたい1か月ごとに新鮮な物を処方して貰います。診察の内容は問診、採血、皮内検査など。採血と皮内検査は毎回ではありません(3か月〜おきくらい)。エキス以外は保険が効きます。
1年目で改善傾向が出てきますが、最低29か月は続けます。これくらい続けないと元に戻ってしまうとの事です。
SLITのメリット
- 花粉症が完治する人も居る
- 自宅でできる
- 通院は月一回程度で良い(注射治療の場合は週2〜3回は通院が必要)
- 1年目からも効果が出始める(7割程度の人)
- 痛くない(注射治療では100回以上注射が必要)
- 抗ヒスタミン剤などを投薬中でもできる
- アナフィラキシーショックが出にくい
- 花粉症もちで喘息予備軍の人は、喘息の予防になる。特に小児のうちに受けるとたいへん有効(私は喘息症状は無いので実感については分かりません)
デメリット
- 全く注射をしないわけではない(治療の進行を見るために、定期的に採血と皮内検査は必要です)
- 時間がかかる(私は36か月くらいやりました)
- まだ保険が効かないので治療費がかさむ。だいたい1回2〜3万円×3年(スギエキスは時価たっだ気がしますので変動します)
- やっている病院が少ない(やっいても金儲け主義でいい加減な病院もあるので、気を付けてください)
- スギ花粉以外に効果はない(ヒノキエキスもお願いします…)
- 成人型喘息の緩和にはあまり効果がない
- アトピーの改善には効果がない
- 花粉症が改善しない人もいる
デメリットの補足
まぁ、私も花粉症が完全に治っていませんね。他にも残念ながらほとんど効果がない人もいます。
「アトピーの改善には効果が無い」と聞いて若干残念に思いましたが、これについては実は良いことがありました。花粉症の目の症状がかなり緩和したお陰で、目の回りを擦ることも少なくなり、目の周りに湿疹が出にくくなりました。
また、ヒノキの花粉症の症状はそのままですが、花粉の順番はスギ→ヒノキなので、重度のスギ花粉症でベロベロに弱ってからヒノキを迎えるよりは、大分楽になりました。
私が受診した病院のはなし
私が治療を受けたのは、神奈川県にある都筑メディカルクリニックという個人経営の病院です。
担当してくださったのは、斎藤正峰院長先生です。斎藤先生は私が出会った医師の中でも1〜2を争うナイス紳士です。患者に寄り添った治療と指導で、説明もとってもわかりやすいです。
参考:都筑メディカルクリニックのサイト
この治療に興味を持ったら
上記の斉藤先生自ら書かれた『花粉症・アレルギーを治す注射しない減感作療法の威力―欧米で話題のSLITとは』という書籍が詳しいです。私は幸い喘息の症状は無いので、喘息と花粉症について知りたい方は書籍をご参照ください。
amazonで見る 楽天ブックスで見る目次
プロローグ
アレルギー病の根治療法を求めて
Part1 スリット減感作療法の実際
1.注射と違い、痛くないから急速に普及した
2.何に効く? スリット減感作療法
3.安全性の高さも大きな特徴
4.スリット減感作療法はなぜ効くのか
Part2 アレルギー病の最新知識
1.花粉症
2.喘息
3.アトピー性皮膚炎
4.最近話題の「衛生仮説」からアレルギーの予防法を学ぶ
5.民間療法―現時点ですべてを否定できない
6.近い将来登場する新しい治療法
これから治療を始める方へ
注意していただきたいことがあります。来年の花粉飛散量は少ない予想なので症状も弱まるかと思います。それによって「(去年より症状が強くないので)花粉症良くなった!」と断定せず、きちんと血液検査の数値の推移や、皮内検査などの客観的な情報を元にして、医師の判断を受けてください。
金がなくて症状が耐えられる!という場合は、保険適用になってから治療を受けても良いかもしれませんね。
あと、ホントしつこいようですが、自己判断でスギエキス入りの食品を摂るのは絶対にやめてください。最悪死にます。
-
-
- -
-
なにか思い出したら加筆修正します。
*1:スギ花粉入りカプセル服用後にアナフィラキシーショックを呈した症例
*2:言い訳としては今年の春の花粉症の具合を見て5月くらいに記事描こうと思っていたんですが、地震で色々あって忘れました。その後「秋の花粉の時期か〜」と思い出して10月頃に書き始めて今に至る…